【この距離、一日で走れるだろう。】

当時のAkiはGoogleマップでなんとなく距離感を測り一日の自転車での移動距離を見積もっていた。

ある日、朝早めに出発したのにもかかわらず
道に何度も迷い始めた日があった。

最初は「大丈夫！なんとかなる」そう思っていた。

でも、迷って引き返してを
3回以上続けると焦りと怖さが出てきた。

夕方になってきて、体力の限界と右膝の激痛に襲われる。

身体一つだったらヒッチハイクできるのに
自転車と一緒だからヒッチハイクが難しいかも。

どんどん追い詰められていく。

お腹が痛い。

不安。

右膝が痛い。

もう…動けない。

究極の自分の本音にぶつかる。

最終手段は予約した民泊のオーナーに連絡をした。

偶然にも民泊のオーナーのお友達が近くにいたこともあって、そのお友達の車に有難く自転車ごと拾ってもらい1時間ほどの距離を車で移動して夜9時ぐらいにやっと宿に着いた。

宿に着いた瞬間、民泊のオーナーから
「あなたの自転車の計画は無茶苦茶すぎる！」
と言われ、緊張した糸がプッと切れた。

その瞬間、子どもみたいに大声で泣き始めたことを今でも鮮明に覚えている。

不安、迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

【怖かった、ごめんなさい、ごめんなさい。】

そんな言葉が心から涙と一緒に溢れ出した。

その日の夜は泣いて、疲れ切ってすぐ寝た。

翌日、オーナーの旦那さんが車の後ろに自転車を乗せてちょっと先の街まで乗せてくれた。

「自分のできる範囲で計画して安全に旅をしなさい」そう言われた。

「本当にその通りだ。」と、おもった。

無茶苦茶をしたこともあり右膝の痛みもあり、自転車の旅は難しくなっていた。

最後は、自転車と一緒にヒッチハイクをした。

本当に幸運にもわたしと、自転車と両方を車に乗せてもらうことができて、目的地まで無事に間に合って着くことができた。

笑顔で「旅、楽しんでね」と言ってくれたドライバーさんに、心の中で静かに合掌した。

『窮地に追い込まれたわたしを見てみたい』

世界一周の旅をしてから、そんな欲が今も尽きない。

限界を超えるわたしを、わたしが見てみたい。

その奥には『大丈夫。絶対乗り越えられるから』と根拠のない理由で、絶対的にわたしがわたしのことを信じているから。

限界に挑戦し
自分なりに乗り越えてクリアしていくことで
自分の内側でしか見えない自己信頼残高が少しずつ貯金のように貯まっていく。

これって、頭で考えて貯まるもんじゃなくて体感や経験で貯まっていくもの。

自己信頼残高が溜まっていくと
自分を信じて行動するエネルギーが高まってきて自己実現につながったり、自分をもっと好きになる。

自分自身への声掛けやつながりができてくると
相手への声掛けやつながり方が変わってくる。

自分自身とのパートナーシップは
相手とのパートナーシップに比例している。

挑戦したいことは

“もちろん命を第一優先”に

挑戦していくことで、会いたい自分に会えるよ。